このページの本文へ移動

更新日:2020年1月22日

看護学専攻のご紹介

看護教育学

教育・研究内容の紹介

看護教育学領域は、「あるべき状態を看護実践や看護学教育の中心に据えるのではなく、ありのままの看護の状態から本質を取り出し、それを主軸に据える教育のあり方、看護実践のあり方を追求する」、「先人の治験に最大限学び、教育と研究を行う」、「活用可能な研究成果を産出する」(舟島なをみ著:看護教育学研究)という看護教育学の理念のもと、教育や研究を行っています。具体的には、看護職養成教育である「看護基礎教育」や看護職の免許を取得したすべての人を対象とする「看護継続教育」などの場に生じている現象を解明し、看護職が専門職者として職業的に発達することを支援する研究成果の産出を目指しています。また、看護職が専門職であるためには、提供する看護技術の根拠を明確にする必要があります。看護技術の方法によって、生体にどのような影響を及ぼすのか、実験的に明らかにし、根拠に基づいた看護技術の提供を実現する研究成果の産出も重要な研究課題となっています。

修了生からのメッセージ

1期生:菊地小百合
私が大学院に入学した動機は、職場で看護研究に取り組んだ際に新たな発見があり、看護研究について具体的に学び、看護学教員としても知識を深めたいと思ったためです。在学中に、研究の基礎を学び、自身が納得いくまで取り組んだ成果を修士論文にまとめたことは、今でも自身の大きな財産になっており、研究に取り組む価値を十分に見出すことができました。ゼミでは、自分の考えを他者に伝えることの難しさを痛感しましたが、何度も繰り返すことで少しずつ伝えることができるようになりました。今後は、看護学教員として継続的に看護研究に取り組み、研究成果を還元することで看護教育に貢献したいと考えています。

・現在の活躍の場・役割等
宇和島看護専門学校ー専任教員
・修士論文タイトル
看護実践への知識と技術の活用を支援する教員の教授活動に関する研究
ー看護技術演習に焦点をあててー

1期生:山本千惠美
私は、長年にわたり看護専門学校の教員として勤務し、看護師としての実践経験を頼りに教育活動を行ってきましたが、自信をもって授業ができず、いつも漠然とした不安を抱えていました。それは、私が理論を基盤とした看護観、教育観をもっていないためだと思い、その解決に向けて大学院へ進学しました。入学後には、看護教育学の学修成果を日々の教育活動に取り入れ、実践をふりかえり、学生の反応を分析することを通して、それまでの疑問を解決できました。また、医療技術学専攻や看護学専攻他領域の同窓生とともに切磋琢磨して学んだ経験は、修了したのちも、かけがえのない財産になりました。 私は、大学院での学修を通して自ら主体的に学ぶことの大切さを実感し、この経験を少しずつでも学生に伝えるために、学生の可能性を信じて関わるとともに、私自身の成長を信じて教育活動を続けていきたいと思います。

・現在の活躍の場・役割等
人間環境大学ー松山看護学部
・修士論文タイトル
看護学実習中の学生が他者との相互行為において知覚する困難に関する研究

1期生:奥野亜希(旧姓:濵田)
私は、自らの経験のみに頼るのではなく、教育に関する知識を得た上で後輩指導を行いたいという思いと、臨床での研究の質を向上したいという思いから大学院進学を決意しました。問題解決のためには、様々な知識の修得に加え、研究に取り組み続けること、さらには研究成果を活用することが重要であり、研究活動を通してそれらを学修することができました。臨床の場に戻った現在は、研究成果を活用し、看護を実践したり、臨床で遭遇する様々な現象を後輩に説明したりしています。今後もクライエントへの質の高い看護を提供できるよう、学修や研究を積み重ねて行きたいと思っています。

・現在の活躍の場・役割等
国立循環器病研究センター CCU病棟
・修士論文タイトル
新人看護師を支援する先輩看護師の行動に関する研究

3期生:馬越千恵
私は、大学院で研究の手法を学び、今後の看護研究活動に役立てたいと思い、進学しました。在学中は研究に必要な知識を得ながら、自分の持つ疑問に向き合い、研究に取り組みました。研究過程では、先生方の的確なアドバイスを受けながら分析を進め、一つの研究成果を産出することができました。研究過程は困難な道のりでしたが、最後までやり遂げることができたことが自分の自信へと繋がりました。今後は、研究初心者として、引き続き研究に向き合い、更には、看護の現場で研究に取り組む後進の育成に尽力したいと思っています。

・現在の活躍の場・役割等
愛媛県立今治病院ー感染管理認定看護師
・修士論文タイトル
看護師長が実践する感染管理活動の解明

教員からのメッセージ

野本百合子(愛媛県松山市出身)
看護を職業とする看護職者が誕生した歴史を振り返ると、先人が様々な課題を乗り越える努力を積み重ねた結果として、看護の現状があります。過去に誰も経験したことのないこれからの日本の医療を支える看護職者を社会に送り出し、看護職者としての発達を支援するためには、新たな教育のあり様を模索する必要があると考えています。そのような教育の推進には、看護学生だけでなく、資格取得後の看護職者に対しても職業的に発達するための支援が必要です。そのために、教育や医療の現場に起こっている現象を言語化して説明したり、状況を共有したりするための研究成果が必要です。医療の現場で行われている教育や看護師養成教育に関わる現象を解明し、活用できる研究成果の産出を通して、現状に疑問を感じておられる看護職や教員の皆様とともに、質の高い看護職者への教育のあり方を考えたいと思います。

岡田ルリ子
私は、皮膚のバリア機能を維持するために、皮膚保湿機能を高めるケア技術の開発に取り組んでいます。身体外部からクリームや軟膏を塗布する方法だけではなく、生体が本来持っている力を活用したケア技術の開発を目指しています。手浴・足浴などの温熱刺激に着目し、これが全身の皮膚血流量や角質水分量、水分蒸散量などの生理学的指標にどのような影響を及ぼすかを観察しながら、より効果的な保湿方法を考えています。 このように、多様な生活シーンで活用可能なケア技術の開発は、人々の生体へ有意義な結果をもたらし、日々の生活の質を高めます。日頃抱えているケア提供時の小さな疑問を研究というプロセスにのせて、楽しみながら解決していきませんか。

徳永なみじ
目の前のその人にとって適切な看護を提供するにはどうしたらよいのか。看護基礎教育課程で学修する看護技術の根拠は十分明らかにされているのか。そのような疑問や引っ掛かりをリサーチ・クエスチョンに変換し、看護技術の生体への影響について生理学的手法を用いて明らかにする研究に取り組んでいます。また、看護技術学習過程に自己調整学習理論を活用し、自己教育力を備えた実践者を育成するための学習支援方法を開発しています。発展する科学の恩恵を、看護ケアを通して人々に届けるために何ができるのかを一緒に考えたいと思います。