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更新日:2019年5月28日

看護学科のご紹介

精神看護学領域

精神看護学領域

精神看護学では、
1.人の心と身体はつながっていて、互いに影響し合っている。
2.心の健康と不健康は連続線上に位置するものであり、心の健康を守る仕組みや機序は人は皆同じである。
3.人は病気に罹患することをきっかけに、より高いレベルへの成長・発達を遂げる。
という前提にたって,以下のような教育を行っています。

学部

【講義・学内演習】
1.当事者の体験談から学ぶ
看護者として当事者をケアしていく上で、当事者の方が病気にかかることでどのような体験をしているのかを知ることがとても大事だと考えています。学生は、精神に疾病や障害を持つことをイメージしにくいため、実際にアルコール依存症の当事者や家族の方に体験談を語っていただいています。今後さらに摂食障害や統合失調症の当事者や家族の方々の体験談を語っていただく場が持てないかも検討中です。

2.臨床や理論の専門家から学ぶ
臨床での看護実践のプロフェッショナルである病院の精神科認定看護師さんに来ていただき、現場の看護の実際や連携の在り方について講義していただいています。また、先駆的活動をされている精神保健福祉士の方をお招きし、精神障がい者に対する地域生活支援についてお話していただく機会を設けています。

【実習】
1.実習場所
一般財団法人創精会松山記念病院、NPO法人ほっとねっと就労継続支援B型事業所口笛・すけっと工房、社会福祉法人南風会就労継続支援B型事業所ハートピアみなみ、砥部町地域活動支援センターひとやすみ、グループホームさとわ

2.精神看護学実習
一人の患者さんを担当し、患者さんを全人的に理解することを目的に実習を行っています。さらに社会復帰病棟・急性期病棟・福祉事業所のグループに分けて実習を行い学びを共有することで病院から地域へ連続した流れを考えれるようにしています。

3.総合実習
看護師として自分が働くことをイメージして、各学生個々の課題と向き合うこと、加えて、看護管理やタイムマネジメントに関しても学び、チームの一員として主体的に取り組む実習を行っています。

【教育環境】
図書館へ最新の図書や視聴覚教材などを置いています。また、実習に役立つよう毎年見直して購入しています。

大学院

1.臨床や理論の専門家から学ぶ
大学院教育では、看護コンサルテーションの在り方を学んだり、取り組む研究のヒントが得られるように著名な講師をお招きしたりしています。

精神看護特論I 授業風景
今日のテーマはマーガレットニューマン看護論でした。

2.修士学生の声や写真

鈴村和美さん
私は、現在当大学院の精神看護学の専門分野に所属し、4年間の長期履修制度を利用して、科目履修と専門分野の研究に取り組んでいます。そして、この制度のお陰で、仕事や家庭がありながらも、周囲の方々に協力して頂きながら学ぶ事が出来ているのだと、日々実感しています。それから、何よりも修士課程での学びは、自律して学ぶと言う事が求められ、他の専門分野の院生や教員の方々とも共に学びながら、看護学をはじめ、保健医療福祉にまたがる知識を深めることが出来ています。また、看護を学問として学ぶ中で、自らとも向き合い、見つめ直す事で、実践の場で遭遇する現象を様々な理論を通して解釈し、より対象者の立場を理解し、共感できるようになっていく事に魅力を感じています。しかし、修士論文の完成へは、簡単な道のりはない事も実感しています。それでも自らが得た研究課題を明らかにしていく為に、根気強く真摯にこれからの過程を遂行していきたいと思います。

田和奈々さん
私は現在精神科病院に勤務しながら大学院へ通っています。 大学院進学を決めたのは看護師3年目の時でした次年度からは 4年目になる看護師の分岐点であり、臨床現場で患者さんと関わる上で 、自分のアセスメント能力の低さやアセスメントするための基礎知識が薄いことを自ら感じていました。 その時期に大学院の存在を知るきっかけがあり、 それまで考えたこともなかった大学院に関心を持ち、 在学生である先輩に相談する機会を設けていただき受験することを決めました。 精神看護学では対象理解について既知のセルフケア理論や対人関係理論等、深く学ぶと共にリカバリーやストレングス等の概念について理解を深めることで、 患者さんの立場に立ち多角的な視点から対象を捉える洞察力、アセスメント能力に繋がり、アプローチの仕方も変わってきたことを実感しています。 仕事と勉学の両立、もちろん大変さや疲労もあり、授業や経験豊富な同級生とのディスカッションを通して経験の浅い自分への悔しさも感じていますが、反対に新しい知識を得ることの楽しさや変わっていく自分への喜びも感じています。 スキルアップしたい、各分野の理解を深めたいと感じている方は大学院進学することで、 臨床現場だけでは学べない視点や患者さんへのアプローチの手段を得ることができると思います。

領域メンバーの共同研究

私たちは、病気の専門家はその当事者自身であると考え、当事者の体験を大事にしています。そのため、当事者の体験を明らかにする研究を継続的に行っています。平成30年度からは「精神障害にも対応した地域包括ケアに関する研究」で、看護に求められる役割を明らかにし、今後の教育活動に役立てようとしています。精神科領域においては、当事者自身の体験に関する研究の蓄積は少ないため、研究方法としては質的アプローチを主に用いています。共同で以下の研究に取り組んでいます。

1.論文
1.アルコール依存症者の家族の支援プログラムに関する文献検討、越智百枝・野嶋佐由美・中平洋子・疋田琴乃・坂元勇太・池田桜、高知女子大学看護学会誌 (1345-0433)、42巻1、Page2-10、2017

2.学会発表
1.アルコール依存症者の家族への教育支援プログラムの評価、越智百枝・野嶋佐由美・中平洋子・疋田琴乃・坂元勇太・池田桜、日本看護科学学会学術集会講演集 36回、 Page225、2016
2.境界性パーソナリティ障害患者に否定的感情を抱く看護師が患者と向き合えるようになるまでの過程、坂元勇太・越智百枝・中平洋子、第38回日本看護科学学会、2018
3.アルコール依存症者の家族への教育支援プログラムの評価―参加者自身の小さな変化への気づき―、坂元勇太・越智百枝・中平洋子・疋田琴乃・池田桜、第32回日本看護研究学会中国・四国地方会、2019

3.報告書
1.アルコール依存症者の家族のエンパワメントプログラムの評価報告書、越智百枝・野嶋佐由美・疋田琴乃・中平洋子・坂元勇太・池田桜、1~6、2015
2.アルコール依存症者の家族への教育プログラムの評価研究 2012~2016年度科学研究費助成事業基盤研究(C) 研究成果報告書、越智百枝・野嶋佐由美・中平洋子・坂元勇太・大森美津子・西村美穂・疋田琴乃・池田桜・政岡敦子、1~6、2016

エンパワメントする

教員と、地域や病院で働く保健医療福祉のスタッフの方や当事者・家族の方双方が癒し癒され、互いに成長発達できるような活動を様々な形で行っています。

1.事例検討会-のんびりやろう会-
年3回程度精神領域に関わっている看護師、保健師の方などで集まり、事例を持ち寄って、事例検討会をしています。いろんな立場の人から意見をもらって、その時の自分のケアに意味を見出したり、新たな気づきを得たりして、事例を出した人も、意見を言った人も参加者みんなが元気になれるような会です。

2.アルコール依存症者の家族への教育支援プログラム
現在取り組んでいる研究で、アルコール依存症の家族の方へ解決志向アプローチ(SFA)を用いたプログラムを行っています。家族の方が自分が既にもっている力に気づき、さらに高いレベルへと当事者の方も含め成長していけるようなプログラムです。